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自分を攻略していく記録

自分がやりたいことを達成するには何をすればいいのか、その攻略していく過程をつらつらと

FinTech(フィンテック)入門を読んだ

FinTech入門を読んだ

2014年あたりからFinTechという金融とテクノロジーをまぜた言葉で使われるようになり出した。そのFinTechについて普段聞き慣れない人にも理解できるよう、マネーフォワードのCEOらによって明快に書かれている。今年からFinTechの業界に入ったので入門として読むことにしたのだが、非常に勉強になったので知らなかったことを簡単にメモしておく。

金融の「アンバンドル化」

金融というビジネスは2つのレイヤーに分けられる。1つ目が、情報サービスのレイヤーで、パソコンでいうところのアプリケーションに相当する。もう1つは、インフラサービスのレイヤーである。これはパソコンでいうところのOSに相当する。従来の金融機関はこれら両方のレイヤーを扱ってきた。しかし、近年では技術の発達により、スタートアップが情報サービスのレイヤーに参入し、2つのレイヤー部分が分離してきた。これをアンバンドル化という。ただ、インフラ部分はスタートアップにとっては参入が難しい分野であるので、今後金融機関がスタートアップと手を組んで再びアンバンドル化とは逆の動き「リバンドル化」が進むと考えられている。

個人資産管理

個人資産管理(PFM: Personal Financial Management)という言葉ある。これは文字通り、個人の収入・支出の管理や将来必要となるお金の準備をすることである。これは特にアメリカでのニーズが強い。というのも、教育費や住宅のためにローンを組むことがアメリカでは多く、お金を借りるための信用度「クレジットスコア」というものがあるためだ。クレジットスコアがある点を越えると「プライム」とみなされ、お金が借りやすくなる一方で、基準点を下回ると「サブプライム」と呼ばれる。そこで生まれたのがIntuitのQuickenだ。1980年代半ばのことである。

インターネットが爆発的に普及すると「アグリゲーションサービス」が出てきた。これは、各プラットフォームに分散している資産を可視化するものだ。その中にMintというサービスがあった。2006年に生まれ、急激に大きくなってIntuitに買収された。日本ではMoneyLookやKakeibonが似たようなサービスである。家計簿というニーズに特化したMoneyForwardやZaimも生まれた。とくにMoneyForwardは、2015年の時点では知っている人は知っている、という程度だったが、最近では頻繁に耳にするようになった。

様々なサービスが生まれた技術的背景には、銀行のAPI公開がある。これを使うと銀行と簡単に連携するサービスをつくることができる。そうなると、サービスには色々な付加価値が求められるようになる。HelloWalletやLearnVest、BillGuardはそれぞれ尖った付加価値を持ったサービスであったため、ユーザーを多く獲得し、大企業に買収されるに至っている。FinTech業界ではこのように大企業に買収されていく、という流れがアメリカではできている。

Quicken Mint HelloWallet BillGuard Moneylook Kakeibon Money Forward Zaim
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企業向けのクラウドサービス

FinTechは企業の業務支援ツールも出しており、その大きなサービスとして、アメリカのIntuitが出しているQuickBooksが挙げられる。Xeroという競合のサービスも有名だ。日本ではMFクラウド会計や、freee、弥生会計オンラインがある。従来、手動で行なっていた入力が自動で行われたりするのだ。会計以外にも経営指標を算出するソフト(アメリカのDOMOなど)も生まれている。

QuickBooks Xero Fundbox DOMO MFクラウドシリーズ freee 弥生会計オンライン
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資産運用

アメリカでは20世紀後半の金融の流れの影響からか資産運用に対して積極的である。そこでアドバイザーとしてFinTechが入ってきた。フィナンシャルプランナーは通常コストがかかる。そこでいくつかの質問に答えると最適なポートフォリオを提示するシステムが生まれた。それが、BettermentやWealthfront、Personal Capitalである。国内では、WealthnaviやTHEOといったサービスがある。

Betterment Wealthfront Personal Capital Wealthnavi THEO
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融資

金融機関から個人や法人がお金を借り入れることを融資という。投資と違って返済の義務があるもの。金融機関は、利用者から預かっているお金を使って融資するので、融資にはリスクが伴う。融資をしてもいいのか、という判断をテクノロジーを使って解決しようという動きがある。Amazonの利用履歴を元に信用度を測るKabbageや、SNSのネットワークから信用度を測るKreditechやVouchというサービスがある。

Kabbage Kreditech Vouch
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ソーシャルレンディングという言葉がある。これはインターネット上でお金を借りたい人と貸してもいい人のマッチングをするものである。P2Pファイナンスとも呼ばれる。リーマンショックを受け、金融機関が融資を厳しくした背景からこのようなニーズが高まった。イギリスのKivaやアメリカのLending Clubが代表的なソーシャルレンディングである。Lending Clubではパートナーの銀行が貸付を行なった後に、その債権を購入したい投資家を募るシステムになっている。日本ではクラウドクレジットやManeoというサービスがある。このソーシャルレンディングは、ジャンルを絞ったものも多く存在する。例えば、アメリカのSoFiというサービスは学生ローンに特化していて、履歴書の書き方から面接の練習も見ることで、ローンの返済能力をあげる施策を行なっている。OnDeckというサービスはオンラインの銀行のような新しいビジネスモデルもある。

Upstart Kiva Lending Club SoFi OnDeck クラウドクレジット Maneo
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クラウドファンディング

クラウドファンディングには大きく融資型・投資型・寄付型がある。融資型が、融資の項目で上述したのと同じで、投資型も似ているが、獲得できるのが株式である。ベンチャーキャピタルの出資と近い。アメリカのAngelListがこの投資型のクラウドファンディングをしているサービスの1つである。寄付型のものは金銭的な見返りがないが、応援したいプロジェクトを後押しできる。JAPANGIVINGやふるさとチョイスがその例である。

もう1つ、事前購入型がある。日本ではこの形式が多く、ReadyforやMakuakeが相当する。アメリカでいうと、Kickstarterがそれに当たる。支援者がまず、これから開発を始めるというプロジェクトに出資して、一定金額に到達すれば開発を開始する。完成すると支援者はプロダクトを手にすることができる。投資と違って金銭的リターンはないが、これも応援の後押しをできる。

AngelList Kickstarter JAPANGIVING ふるさとチョイス Readyfor Makuake
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決済

PayPalがこれに当たる。もっともITと相性が良い。日本で現金決済が占める割合は50%以上と言われている一方で、アメリカでは20%未満だそう。また、Apple Payが注目を浴びていたが、それはiPhone端末に搭載されたICチップで決済ができるというサービスだ。イギリスのTransferWiseは国境をまたぐ個人間送金を強みにしている。

Apple Pay Stripe PayPal TransferWise
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国内ではLINE Pay、Yahoo! ウォレットに加え(これらは資金移動業に相当)、AnyPayが運営するpaymoというサービス(収納代行)や、つい最近ではKyashというサービス(suicaと同じ前払金支払手段)もリリースされて非常にホットである。資金決済法のあたりについてはまたしっかり勉強したい。

LINE Pay Yahoo! ウォレット paymo Kyash
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アメリカのSquare、国内でいうと楽天スマートペイやCoineyは、スマホタブレットに装着するとクレジットカードが使えるようになる、という小型デバイスを開発している。

Square 楽天スマートペイ Coiney
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感想

FinTechの種類とそれに対応する具体的なサービスを列挙してあって(それも国内にとどまらず海外のものにもたくさん言及してある!)非常にためになった。ここに書いてあるのは断片的なものであって本質的なことは本で確認してもらいたい。サービスが生まれた背景とかまでしっかり説明されてある。

特に決済に関しては、資金決済法に関連して様々な形式のサービスが出てきているのでもっとフォーカスして調べようと思う。2017年4月5日にKyashというアプリがプレスリリースされたが、今後の動向について注目していきたい。