RocketSpace@深センへ
シリコンバレーを拠点にスタートアップのサポートをしているRocketSpaceは、深センにもコワーキングスペースを提供しており、そこに行ってみた。ちょうどHackathonを開催中で盛り上がっていた。
そのコワーキングスペースを拠点にしているスタートアップで特徴的に感じたのは、メカの開発をしているというより、ハードウェアの先にあるソフトの開発をしているように思えたことだった。というのも、ただのスマホアプリというよりはVRのアプリケーションのようなプロダクトの方が盛んだったのだ。RocketSpaceがあるのは南山区で、TencentやBaidu(百度)をはじめとした有名なIT企業が立ち並ぶ地域であることにも関係しているのかもしれない。
辺りの様子
メイカースペース x.factoryへ
深センのメイカースペースx.factoryに来た。メイカースペースとは、自由に利用できる色々な機材が置いてあるコワーキングスペースだと思えばいい。ここは月600元(1万円ほど)という破格の安さだ。中国で最初にできたメイカースペースで、国が支援しており、新しい機械が定期的に追加されるそう。コミュニティ自体も流動性があり、情報がたくさん入ってくるらしい。
PCとかが置いてあって、ソフトウェアの開発もできるスペースもあるが、写真のように作業場として利用できる部屋もある。特に売るためでもなく、適当に面白いものを、その場にいる人達で作ることも多いらしい。案内してくれた人の隣の席にいる2人組は、自動運転のモジュール?を開発しているらしく、作業場には車があり、ソフトだけではなくハードも作っている。非常にチャレンジングなことをしていた。
作業場1 | 作業場2 |
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この周りに何もないので、食事はどうしているのか尋ねると、基本はデリバリーを利用するのだとか。なんならデリバリーの方が、クーポンとかばらまいてるから安く済んでしまうのだとか。都内でもUberEATSを利用している人がいるが、深センでは、食べ物のデリバリーをしている配達員をめちゃくちゃ見かけた。少し前にシェアサイクルが流行りだした頃の様子に近いかもしれない。
所属しているメンバーのリストがあった。この中に日本人が何人かいる。
電脳街にあるメイカースペース SegMakerへ
続いて世界最大の電脳街と言われる華強北にあるメイカースペース SegMakerに向かった。ここは電脳街に位置している賽格廣場という建物の12階にある。その建物にはアキバが詰まっていると行っても過言ではないくらい様々な電子機器・ガジェットが置いてある。なので、ハードウェア関連の開発をしていて、必要になったものはすぐにエレベーターでおりていけば手に入る。そのためか、SegMakerに入っているスタートアップはハードウェアよりが多いように感じた。最近は3Dプリンタを扱っている会社が入ってきたため、いくつもの3Dプリンタが置いてあった。ビルの1フロア分しかないので、x.factoryのような作業場はなかった。
多くの会社から支援を受けていることがわかる。
日本との違い
事業について
日本は今は仮想通貨事業がアツいように思うが、深センではほとんど聞かなかった。むしろ、上にも書いたようにVR関連やAIを駆使した事業など、ハードウェアの先にあるものを追求しているように思えた。ブロックチェーンは非常に面白い技術だと思うが、まだアプリケーションとして応用するには時期尚早なのだと思う。一方で、VR(やドローン)など、アプリケーションとして普及していくフェーズにあり、そういった事業に人気が集まっているのかなと思った。
マーケティングについて
マーケティングに関しても異なる点があると思う。彼らは自分たちのプロダクトのコンセプトを伝える紹介動画を活用しているように感じた。HUAWEIや、中国版Appleの小米も同様な動画を出している。
スマートカーの紹介
DJIのドローンの紹介
国の支援について
国がスタートアップ支援を積極的に行なっていて、会社によっては数百万円分の支援を受けることがある。特に国として力を入れたい事業に関連していると、支援がもらいやすくなるようになっている。科学技術の研究開発費に関して、日本は減少しているにもかかわらず、中国は増加し続けているとメディアで見かけることがあるが、スタートアップに関しても大きく水をあけられているように思う。